インターセックス
題名の“インターセックス”初めて知った言葉でした。
“半陰陽”とも言い、男女を示す染色体と性器等の身体つきが一致しない、あるいは未発達な両方の性器官(両性具有)をもつ場合もあるのだそうです。
以前、陸上競技(オリンピック?)でのことを思い出しました。
正確ではありませんが・・・
ある女性選手の染色体検査をしたところ男性と判定され出場資格を失ったような・・・
見かけは女性にしか見えなかった選手、染色体が男性のものであったらしいのです。
理屈はわかりますが、いまひとつ納得できなかったような~~
これの、発現率は10万人に1人とかなりの効率です。
でも、私は全く知りませんでした。
性同一性障害は、最近陽のあたる場所でかなり大っぴらに見聞きするようになっていますが、
“インターセックス”は、肉体的に最もデリケートな秘密として隠されているのでしょう。
この本によれば(小説としてのフィクションとは思えない)、
医師と親は、はどちらかの性に押し込めようとします。
激しい痛みを伴う手術を幼少から繰り返し受けさせられる肉体的苦痛に加えて、
診察台のカーテンの向こう側では、大勢の観察者に見世物のように見られている心の苦痛が、
あまりにも悲惨です。
贅沢な施設と高度な医療を誇るサンビーチ病院、
生殖と移植では「神の手を持つ名医」と評判の岸川卓也院長に請われて勤務する泌尿婦人科医の秋野翔子。
「男か女である前に、わたしたちは人間ですから」と、翔子は、悩みと絶望に苦しむインターセックスの患者に救いの手を差し伸べようとします。
患者の話を丁寧に聞き、納得がいくまで説明を惜しまない彼女のような医師は理想です。
病人どれほど救われることでしょう。
舞台のサンビーチ病院登場しても岸川院長も、「エンブリオ」で登場しているそうですが読んでいません。
やがて翔子は、岸川の周辺に不可解な変死が続いていることに気づいて・・・サスペンス仕立て^^
神が創り出した少数派の人たち。生れ付いての色々な病気や悩みを持っている人がいらっしゃる。
読む価値があると思います。
by kosuzume2
| 2010-06-28 00:00
| 本