慟哭
慟哭 :貫井徳郎(ぬくい とくろう)著を読みました。
東京創元社(創元社推理文庫)
著者は、1968年東京都生まれ、この< 慟哭 >は、1993年に第四回鮎川哲也賞最終候補作ですが受章はしていません。
25歳の時の作品です。読後にそれを知りました。
少なくとも、中年の男性の小説と思って読みました。
連続幼女誘拐殺害事件の解決に孤独に奮闘するキャリア:エリートの捜査一課長と、新興宗教にのめり込んで行く男の二人の視点が交互に入れ替わりながら進んで行きます。
筆者が読者に仕掛けたトリックは、二人の主人公。
警察内部の亀裂、新興宗教、そして事件の犯人…。
ストーリィ展開としてはとても面白かったのですが、読後の疑問はどうしましょう。
交互に語られる二人の物語のタイムラグが、不自然なのです。
評価はかなり高いようですが、この時間差が気になって仕方ないのです。
作者本人の言葉によれば、
【賞に応募するための作品として書いたので、極力仕掛けはシンプルに、誰に
でもわかるようにと心がけました。
ネタはミステリーファンならすぐわかるかもしれませんが、着地の仕方に注目し
て読んでいただければ嬉しいです。自分でも一応の及第点をつけられる作品
す。ぼくの作品をどれか読むなら、まずこれから読んで欲しいです。】
とのことですが、私が馬鹿なのかなぁ・・・理解出来なのです。
一見繋がっているように見える連続幼女誘拐殺害事件も、タイムラグを考えれば2つに別れているはずとしか思えません。
なのに、犯人は後半部分だけ判明・・・
前半はどうなったのかしら???
それとは別に、新興宗教に対する冷静な観察や判断は想像・創造とすれば脱帽!すごい!です。
最近の著書:夜想(ヤソウ)を読んでみたいなぁ
今日の食事
昼 狐うどん、水菜イッパイ
夕 牛肉とレタスのオイスターソース・百合根と銀杏のかぶら蒸・蓮根の干しアミ炒め
by kosuzume2
| 2007-11-18 20:19
| 本