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こすずめ日記

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誰か

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宮部みゆき 著
文春文庫版:2007年12月発行
        (単行本は、2003年11月)



今多コンツェルン会長の私的運転手:梶田が、自転車にひき逃げされた死亡事故。
宮部みゆきらしい社会問題=自転車の危険性がテーマかと、思ったのですがちょっと違っていました。

穏やかで口の堅い被害者が残したのは、年齢も性格も離れた2人の娘。

10歳の年齢差は、姉妹の両親に対する見方にも差があって、『姉は頼りにされていた』『妹は親の希望の星だった』とお互いを羨む様子。

自転車事故ということで進展しない捜査に、妹娘は、父親の人生を本に書きたいとコンツェルン会長に相談、会長の娘婿:杉村を紹介されます。

ただただ、立派だった父親の生涯を本にしたいと願う妹に、妹の知らない父親の隠された過去の秘密を案じる姉。
温厚で優しい性格の杉村は、そんな2人に誠実に寄り添います。

・・・  ・・・  ・・・

戦後の混乱・貧困の中を精一杯生きてきた、財閥のトップ:今多会長や玩具店のご隠居さん、そして被害者の越し方は、興味深く、面白かったです。

そんな世代を親に持った杉村夫妻や梶田姉妹も、 その波乱の道のりを引きずって生きた両親の隠された過去と姉の性格、両親の希望を背負わされて屈折した妹の性格 に現れているのでしょう。

物凄く印象的だった言葉・・・
悪気はないが、少々口の悪い人を「口に毒がある」といい、(杉村の)母の毒は蝮である、という杉村の言葉。
その、毒蝮の口を持つ人の「人間ってのは誰だって、相手が一番言われたくないと思ってることを言う口を持ってるんだ。
どんなバカでも、その狙いだけは、そりゃあもう正確なもんなんだから。」は、真実!

そして、タイトルの「誰か・・」がよくわかりません。
 自転車で人を殺してしまった「誰か」、
 父母の秘密を知っている「誰か」
 4歳の自分を誘拐した「誰か」
 逆玉の自分を見る「誰か」

「誰か」が、知っている・・・という意味かしら?
by kosuzume2 | 2008-03-16 21:09 |
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