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こすずめ日記

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2009年 02月 21日 ( 1 )

切羽へ / 時が滲む朝

この2冊、yasukonさんが読まれて紹介して下さったので、早速読みました。

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第139回 直木賞作品
井上荒野 /著 
出版 /新潮社

素敵な題名です。
かすかに淡いピンク色の紙と、書き出しにちょっとどぎまぎ。

ワインを開けたら・・・
どんどん飲みたくなって・・・
とうとう一本空けてしまった…そんな味わいの本でした。

住民全体が家族のように、お互いを受け入れてゆっくりと暮らす暖かい島。
舞台は、著者の父親:井上光晴(作家)が馴染んだ炭鉱の島、長崎県の崎戸でしょう。

穏やかで平和なセイと陽介夫婦・・・ある日、本土からやってきた青年、石和がセイの心に少しずつ入り込んでいきます。
3月から始まった物語が、4月、5月と月ごとに進んで翌年の4月で終わるのも自然な流れが~
説明や解説もまったくないままに、淡々と事実が描きつづられる中、それぞれの人の心の動きも自然に納得でき、セイの夫の静かな深い愛情も好きでした。
ただ一人、わからないままだったのは石和青年。

直木賞にはふさわしい作品、そして、好きな作品です。
題名の「切羽」はトンネルの一番奥を意味する言葉で、”どんな夫婦も多かれ少なかれ切羽へ向かっている”との思いでつけられたそうです。
そして、この「切羽」は切羽詰まるの語源ではありませんでした。本当は ・・・こちらでした。
もう一つ・・・著者:荒野さんには切羽さんという妹さんがいらっしゃるそうです。

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第139回芥川賞作品  
楊 逸 (ヤン・イー) /著者
出版 / 文芸春秋

非常に癖のある、普段あまり飲まないお酒・・・(例えば、老酒かな?)
を飲み始めて・・・
最後には美味しさがわかった…そんな本でした。

中国の女性が母国語ではない日本語で書いた小説という事で注目されていますが、芥川賞って、何か違う様な気がします。
芥川賞は昭和10年制定の「各紙誌に掲載の純文学の最も優れた短編に呈する賞」、これは純文学?と疑問ですが~~

田舎から地方の名門大学に合格し、寮生活、文学サロン、憧れのテレサ・テンの歌・・・を楽しみ充実した学生生活り送りはじめた主人公と親友。
民主化運動が盛んになると、デモや集会に参加、やがて天安門事件への波に飲み込まれ・・・退学・挫折へ。

天安門事件(1988年)から北京オリンピック(2008年」までの20年間を150ページで書くのは、かなり駆け足の飛ばし書き・・・行間もないメモ風で個人的には読みづらい。
それが変わったのは、主人公が日本に来てからの部分、約8年の様子です。
革命運動の仲間の胡散臭さに気づき、失望をどう希望に変えるか・・・?は、美味しいお酒になりました。
by kosuzume2 | 2009-02-21 20:31 |
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こすずめ・こすずめ福持っておいで


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